2004年のオーストラリアドル為替レート推移

2004年のオーストラリアドル為替レート推移

オーストラリアドルの2004年までの為替レートの値動き

2004年の初めは高金利、コモディティー価格高、国内経済好調の三つを理由としてオーストラリアドル(豪ドル)が買い進まれ、2月18日にはAUDUSDは0.8003の高値を示現した。ここでは円やドルを使用したキャリー・トレード取引が盛んに行われ、豪ドル買いに拍車がかかった。

 

しかし、3月に入ると、グリーンスパン議長の米国経済への楽観的な見通しもあって、米国での利上げが近いとの予測から米ドルが買われ、豪ドルが下落した。また、4月末での中国の過熱経済を冷ますために、中国当局は5月1日から銀行の貸出一時凍結策を打ち出すとの報道を受けたことで、中国への輸出の多い豪州にはマイナスとの見方から、豪ドル売りとなった。

 

さらに、FOMCが6月30日に利上げ必至との見方から、キャリー・トレードが解消される動きが急速に進み、AUDUSDは5月には0.70を割り込んだ。その後も輸出の低迷など豪州経済鈍化傾向の兆しがあり、また、原油高がグローバル経済を低迷させるのではという危惧から、コモディティー通貨が売られた。

 

10月9日に豪州の連邦選挙が行われたが、予想以上の保守勝利という結果に終わった。この結果を受けて、ハワード首相が進めてきたテレストラのような国営企業の民営化か促進され、加えて海外からの資金流入もあると予想されたことで、豪ドルのサポート材料となった。ただ、9月以降のAUDUSD高は米国の双子の赤字を背景に米ドル全面安であり、中央銀行の外貨準備多様化や投資家の資産多様化の動きが見られたことで、その恩恵を高金利通貨である豪ドルなどが享受した。

オーストラリアドルを取り巻く為替市場の情報

東京外為市場は米ドルが対主要通貨でやや弱含んでいるものの、NY市場終盤の米ドル買いの流れが引き継がれ、ドル/円は一時80円台後半へと上値を伸ばした。しかし、米株高を受けて堅調スタートとなった日経平均株価が前日比マイナス圏へと反落したことなどを背景に、米ドル売りへと傾斜。ドル/円が緩やかに軟化し、序盤の上昇分を打ち消す一方、ユーロ/ドル及びポンド/ドルは上値を覗う展開。 ユーロはギリシャ債務問題をきっかけに先週大幅に下落したものの、8日、ノボトニー・オーストリア中銀総裁は、「理論的にも経済的にも、一部諸国のユーロ圏の離脱は考えられない」「債務諸国のユーロ圏の離脱についての憶測は、ばかばかしい」とギリシャを含む債務諸国のユーロ圏離脱を否定したことがユーロの下支えとなっている。 豪ドルは上昇。時間外取引でNY金先物が再び1500ドル台を回復しているほか、NY原油先物も反発に転じている事などが好感されている模様。明日(日本 時間10日10時30分)発表が予定されている豪州貿易収支は、前回(2月)の マイナス2.05億AUDの赤字から、今回(3月)はプラス5.00億AUD予想となっており、大幅な改善が見込まれている。

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