高金利通貨の代表格「オーストラリアドル」
FX投資家の心をつかんで離さない豪ドル(AUD)ことオーストラリアドル。その人気の秘密は高金利通貨であるということ。
オーストラリアの主要貿易国は成長著しい中国。中国は世界のスタンドプレイヤーになっている。ひたすら拡大を続ける中国経済。その成長を支えているのがオーストラリアの鉱山物資源である鉄鉱石、銅、ニッケルなどである。中国の経済成長が続く間は、オーストラリアの貿易収支も黒字化をつづけ、同国の経済成長も高いレベルで維持される。景気がいい国の通貨は買われていく。オーストラリアドルの為替レートは対ドル、円、ユーロすべてにおいて上昇トレンドを維持しているのである。
また近年、オーストラリアドルが買われる理由のひとつに、同国には地政学リスクがないということ。中東にも遠いし、米国からも遠い。テロなどにも無縁で安全な国ととしてオーストラリアのすべての資産が買われている。現在のような混沌としている時代にはまさにうってつけの通貨と言えよう。オーストラリアの資産を買うためにはオーストラリアドルが必要。だから豪ドルが買われ、為替レートは上昇するという単純明快な理由がある。
オーストラリアドル各年解説(2000年の値動き)
直近5年くらいはオーストラリアドルがどのような為替レート推移をたどったかを知るのは簡単である。しかしそれ以前のことは意外に知られていない。最近FXを始めた投資家ならそれはなおさらであろう。2000年から2005年までのオーストラリアドルの値動きについて解説していきたい。
またオーストラリアドル円はドル円×オーストラリアドル/米ドルの値動きを掛け算して算出される。よってFX投資家は必ず、ドル円とオーストラリアドル/米ドルの値動きに注目しなければいけない。
2000年の値動きに関して。1999年、オーストラリアドル/米ドル(AUDUSD)は年を通じて0.63〜0.67でのレンジで安定していたが、2000年1月28日発表の豪州第4四半期CPIの数字が予想以上に低かったことで、2月の利上げが小さいのではないかとの判断が出てきた。また、同時に発表になった米国のGDPデータでは、米国での金融引き締めが予想以上に強まるとされた。結果、豪州ど米国の間で金融引き締めに明暗が出たことで、'AUDUSDは0.6338まで下落した。
しかし2月2日、RBA(豪州中央銀行)が政策金利を市場予想以上の50bp引き上げて5.5%にしたことで、2月初旬のAUDUSDはサポートされた。だが、その後下落基調を強め、投資家も豪ドル資産の保有でのリスクとリターンを見直す動きが生じ、豪ドルは売られ、5月18日には0.5652まで低下した。
2012年後半に入っても豪ドルは回復しなかった。その原因としてユーロ安が挙げられる。豪ドルはユーロに連動しやすく、年を通じてのユーロ安が豪ドルに連れ安をもたらしたことは否めないだろう。 10月3日、RBAが市場予測に反して政策金利を6.25%に据え置いたことから、ユーロに歩調を合わせる形で下落し、11月22日にはAUDUSDは0.5071まで低下した
2000年9月22日、G7はユーロ防衛のための協調介入を実施した。それでも、ユーロが戻らないのを見て、再び11月3日、6日、9日にユーロ買いの協調介入が実施され、ようやくユーロは反転した。これを受けてAUDUSDも回復する動きを見せ、年末には0.5595まで回復した。
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